その1では適切なゴール設定に触れ、その中でより良い音楽をより適切な装置で再現と書きましたが、より詳細に言うと「どのようなジャンル、傾向の音楽を、どういうシチュエーションでどのような種類のオーディオ機器で再現し聴くのか?」という事になります。今回は様々なオーディオのスタイルを定義し、そのスタイル別に有利・不利なども確認しながら探っていこうと思います。
その2で語りました太字にしたポイントなども意識しつつご覧いただければと思います。
その中で自分にマッチしたスタイルを再確認していただき、今後の予算振り分けなどのひとつの参考材料としていただければ~と願っています。
どこで聴く?部屋?外?環境によるジャンルorシステム別の有利不利
【おうちの中】
環境音もある程度自分でコントロールできますので(特別な設備の試聴室などは最高ですね)最もオーディオがしやすい環境だと思いますが、特に大型のスピーカーを配置するときにはそれなりの知識がないと機器の実力を十分発揮させられません。
ハードロックやヘビメタ系をのびのびと楽しむには20cm以上のウーファー搭載の大型のスピーカーでド迫力再生したくなりますが、音量を上げれない環境ならそれはムーリーなのです。
そんな場合は低域の出しやすい密閉型ヘッドホンがお勧めです。40mm以上のドライバー搭載機だと心強いですが、それぞれより良くを意識すればスピーカーにしてもヘッドホンにしてもデカけりゃいいってもんでもなく、増幅機の質ってもんが重要になってきますので据置タイプのアンプが価格と性能面でお勧めです。家専用と言ってもいい開放型ヘッドホンは音のこもりが非常に少なく空間表現が得意なのでクラシック系が有利でしょう。
クラシック系の再生は最小音から最大音のレンジが大きく、小さい音の再生中は部屋のエアコンやPCのファンの音など気になる場合もあるかと思います。小さいパートが聴き取り辛いからと言って音量を上げ過ぎになるとドエリャ~ことになりますのでお気を付けください。いかに環境音を小さくできるかという「静寂感」がポイントです。密閉型ヘッドホンやイヤホンは環境音がある程度遮断できますので(ノイキャンは最高)その点は有利ですね。あと程々にノイズ対策もできればよろしいかと。程々というのは、やり過ぎると音の旨味もノイズと共に痩せてしまう事があるからです。
(このあたりはまた別の機会に詳しくお話はできればと思います)
【お外】
基本的に若い方が好むであろうポップス系やEDM系などの音楽は製作者側がポタオデ機で聴いてもしっかり音が再現できることを意識してあえてドンシャリに寄せてマスタリングしている曲も多いようです。(レディーガガとか)なのでそれら以外のジャンルを室内で聴いていた時に比べ、外では低域に不足を感じたり、いまいちすっきり聴こえなかったりすることがあると思います。これは外のノイズが影響して(程度にもよりますが)高音と低音がマスキングされることにあるのです。
なのでドンシャリに寄せたマスタリングや最近のアニソン(チェンソーマン)K-POPなどを室内でしっかり聴くと早めに聴き疲れを感じることがあったり高域が刺さり気味に聴こえる場合もあります。
【カーオーディオの世界】
お外のスピーカーってポータブルワイヤレスとか、しっかりめのオーディオがむりっぽいイメージですが、本格的なスピーカーシステムをお外の移動中にも聴ける特殊?なジャンルがカーオーディオの世界。万人向けでもなく純正品カーステに満足できない限られた種族の人に用意された修羅の道です。愛車に取付し走行してみるまで出音の実力が解りにくく、出たとこ勝負な面も多く、ひとたび取付施工してしまうと簡単に引き返せないという…片道切符のような根性がいるまさに修羅の道だったりします。
その辛い分?カーステでは家では出せないボリュームでしかも移動しながらスピーカーでの音楽を楽しむこともできて、大切な人達と同乗すれは同じ空間で同じ音楽を共有できるという格別な良さもあります。まさに極上の移動時間を得られるわけです。え、買取?そういうのは基本ナッシングですよ。車の買取査定時にも影響はほぼゼーローで事故や盗難のリスクまであるのですから
(´;ω;`)ウッ…
【ヘッドホン・イヤホン】
基本1人の孤独な趣味の世界なんですが、ホームやカー捨て、もといカーステでのスピーカーシステムの構築に比べると、それはそれは優しく楽しい世界なのですw買取金額も総じて良いです(^^♪
家で聴く範囲においても安定感は素晴らしいのですが特にイヤホンの場合は外で聴いてもそのパフォーマンスは素晴らしいものがあります。しかも試聴時には音の上流から自身のシステムを組合せて聴けることも多く、精度の高い試聴が可能なのです。(カー捨てとは大違いなのですw)
これってめちゃくちゃありがてぇ~ことなんですよ🤣気軽に聴かせてくれる専門店や家電量販店の存在がホームオーディオの店に比べてあっっっとぅーーー的に親切丁寧で気軽にお試しできる空気感というのを作り出してくれているのです。(いや、別にホームオーディオ専門店をディスってないんだからね)
まぁ、そうは言うものの、外で聴くシチュエーションの多くは移動中であり、先にも言いましたが高音と低音がマスキングされていきます。そうすると自然にボリュームを上げていき、知らぬ間に耳へダメージを蓄積させたり、音漏れで迷惑を掛けたりとなるのです。そんな状況においてはまさにノイキャンの存在は神、性能が優秀であれば必要以上の音量を上げずとも十分音楽が伝わるので耳へのダメージも軽減。極まれにノイキャンが合わない方もいますので、未体験な方はまずはお試しあれ(ここ読む人でそんな人おらんかw)物理的に外部音を防ぐIEMイヤホンやカスタムイヤーピースなどでは耳への密閉を強めているので場合によっては接近する車などの音も完全に遮断し結構危険もあるのでご注意。(僕的には鼓膜に近い場所の密着密閉は不快感があり好きではありませんが)なので主に外で音楽を楽しむ事に重点を置く場合はこれらのことを踏まえて、対策のできない機種を避けるかドンシャリ傾向強めの機種を選択することも必要になるでしょう。
電車移動がメインの場合は機器の性能云々、迷惑という観点からの音漏れ対策が最重要です。
なので開放型のような派手に音漏れのするような機種は絶対に避けなければならないでしょう。開放型じゃなくても音漏れは聴く音量も影響するので漏れるものと認識するのが良いでしょう。では、音漏れのチェックはどうするのかというと、ヘッドホンの場合は自分のひざか太ももに被せて、イヤホンの場合は音の出口を指でふさぐなどして、ある程度の音量で鳴らしてみることで音漏れのチェックができます。十分試した方がいいでしょう。
3つのスタイルに分けてみた
ここから先はスタイル別に更に突っ込んでいきます。
音の出口となる、スピーカー・ヘッドホン・イヤホンの3つに分類し、それぞれ比較的よく使用されるであろう機器の編成パターンを想定して話を進めます。
スピーカー・スタイル
スピーカーと言えばセッティング。部屋の広さと試聴距離、反射音の大小などがあり、意識し出すとかなり大変です。小さな部屋で反響音が少ないデッドな部屋、その逆である広くてライブな部屋、またはその中間など、簡単に調べるには部屋で手を叩き反響が無ければデッド、残響してくるならライブとザックリ判断する方法もあります。なので部屋に応じてスピーカーを選ぶ事を意識し、そこを計算に入れて自分好みのシステムを探していくという流れになっていくでしょう。まぁ世の中には全てのセオリーを無視して狭い部屋にとにかく自分の好きな大型スピーカーをブチ込んで楽しんでいる人もいますが…(ちなみに若き日の僕はそれで失敗した人になります)
特に大型機を大音量で聴こうとするとハードルは異常に高くなります。
スピーカーを試聴した環境がライブで自分の部屋がデッドの場合、試聴時に多少大袈裟な音の響きや余韻を感じても自宅ではちょうど良い感じになったり、小さめの音量では全然仕事をしてくれない音だったり、と変化することが多く、嫌な響き(歪み音なども)が乗っていたり、左右の音の響きに差が出たりしたときには家具やドアの位置を調べ、配置換えをしたり、反射音を修正したりする場合には吸音材などをピンポイントに設置するのですが、むやみに吸音材を配置するとかえって音が不自然になるのですが…ぶっちゃけそこまでしなくても大鑑巨砲システムを組まない限りは大丈夫です。
小さな部屋で小型スピーカーを近距離で楽しむような場合の調整は楽です。
響きを抑えすぎると音が痩せて、緩めすぎると歪みが出てきたりするので、そこはスピーカー下のインシュレーターの素材を変えたり、下にボードを引いたりゴムシートを挟んだり、音像定位や分離感に甘さがあるなら試聴距離に合わせて角度を少しだけ内に向けるか向けないか、壁面との距離を変える、ツイーターの高さを耳の位置にしっかり合わせる、程度で何とかなります。
固めの音に仕上げると音像定位とキレが、柔らかめだと音の余韻や艶感が得られるのでセッティングを駆使してシステムを自分好みに詰めていくことになるでしょう。
柔らかさも艶もあるのにビシッと音像定位が決まるんですよ~という状態は本来は相反することなのでかなり優秀な調整が出来た状態と言えますね。
しかしまぁ~爆音が苦手な僕ですが、大型スピーカーを遠慮なく鳴らし込める方の環境はセッティングが難しく果てしないコストがかかる、いとはいえ、羨まし過ぎます(多分連続試聴タイム30分が限界かもですがそれでも憧れます)😊最高のロマンを感じますねぇ~😍😍😍
スピーカー・スタイルの良い点
機材とセッティングがある程度決まってくるとイヤホンヘッドホンでは到底体感できない迫力のある音圧とリアルな音場、音像定位が目の前に現れ、その音源にある空間を再現してくれます。これはイヤホンヘッドホンでよく言われる脳内音像定位や空間の広がりとは別次元の、目で見え追えるような感覚です。スピーカーとスピーカーの中央から口元のサイズ感を確認できるほどの歌声の音の出口が見えそうな錯覚にまで陥ることがあるほどです。映画館などで天井や前後左右に設置されたスピーカーから聴こえるサラウンド効果も基本2チャンネルのイヤホンヘッドホンで再現されるような疑似サラウンドとは明らかに異なる違いがあります。更に耳でとらえきれない超低域の体に響く振動音はほとんどの人が実感できる感覚なので耳だけで受ける機器ではどうにもならない領域なのです。あとは僕がYouTubeで見た浅い知識のお話になりますが、体全体で受けるハイパーソニック・エフェクトと呼ばれる人の可聴域(20khz)を超えた超高域(自然界にあふれるリラックス効果を持つ帯域)を再現できるのは現在のところスピーカーシステムだけとのことです。(収録音源と再生システムの性能によります)とはいえ、ハイパーソニック・エフェクトは僕が体験して実感した訳ではない、どこぞの偉い人達の研究結果で実証された事象という事になります。(エライ人にはそれが…わかるらしいw)
話が大袈裟になりましたが、シンプル伝えたいのは配置したマイクで収録しインプットた生演奏の状況や音質等の情報を忠実にアウトプットし再現する手段としてスピーカーシステムが存在しているということです。なので天井に設置したスピーカーに配分するような収録された音声成分がそもそもソースに収録されていない場合はその音を再現のしようがないというのが僕の認識であり、イヤホンヘッドホンで聴いた感想で「音が上下にも広がり聴こえる」と聞くたびに「そんな奴おらんやろ~~」と心の中で叫ぶのです😆
スピーカー・スタイルの悪い点
これはけっこーあると思うので項目を設けて書いていきます。
【ハイエンド帯の価格は桁が違う】
ハイエンド、超ハイエンドになるともうね、美術品的な扱いですね。一般ピーポーだとアクセサリーの1つも買えないお値段になります(^^;)別世界の集金システム?
【怪しい商品の価格も桁が違う】
実際現在までに明らかになっている測定データなどによっても効果が不明な微妙な類のものから、ブラインドテストで判別できるが根拠を示せないような効果も混在しているのでそのあたりを狙った確信犯的な悪意のある値付けをしている高級商材商法がまかり通る超闇の世界でもあるのですがこれに関してもやっぱりポタオデ界にも侵食してますね~まぁホームオーディオでは金額がシャレにならない領域なので下手をすれば人生を棒に振る危険も含んでしまいます。ホントかウソかわかりませんが電源だけで1億使ったと豪語しているオジイさんもいるほど…なので1つの失敗のダメージが大きいというのが上げられるでしょう。そのせいで引き返せなくなるのかな~と考えるとしんどい話なんですわ。
それら悲しい現実の要素も大きく影響してホームオーディオは衰退していったっちゅーことだと僕は考えまてます。
【ある程度の音量で聴かなければ旨味を実感できない】
これはシステムにもよって程度がずいぶん変わるので、これをなるべく避けたい場合は小型ブックシェルフ型スピーカーを選択し小型アンプで~という事も可能ですがそうするとスピーカー本来の旨味というか醍醐味が無くなっていくので辛いところであります。
【ポタオデのように掛けたコストを常に実感できるシチュエーションがない】
人に見てもらう機会も少なく、聴ける時間帯や音量に制限がある場合も多いので、せっかくのシステムがオブジェになりがちです。中には買ったら情熱が終了してしまうという人もいるようです。
【システムにが大型になるほど生活が犠牲になる】
突き詰めていくと部屋そのものをシステムの一部として構築しなければ気が済まないという、生活の犠牲もいとわないという世界が広がっています。今だと電気代もかなりヤバイでしょうね(^^;)
ヘッドホン・スタイル
音が外部に漏れない密閉型と漏れまくる開放型に分かれ、そこから大きさ的に外で装着できるコンパクトモデルが派生しますが、事実上外でヘッドホンとなりますとおのずと密閉型の選択になるのですが、他人との距離を考慮しなくて良い場合は小型の開放型もなくはないです(^^;)
開放型は音が外部に漏れるぶん、音の反射が密閉型に比べて非常に少ないので音の抜け感が良く空間が広めの表現ができます。反面低域が出しにくい特徴もあります。
密閉型は音が漏れない分、外部の音の影響を受けずに音源のソースに集中できます。迫力のある低域が出しやすいのですが、やや音がこもる傾向があります。
両タイプの特徴を取り入れた半開放型と呼ばれる機種もあります。
一般的にスマホやドングルDAC、DAPといったガジェットよりも駆動力と音質で有利な据置型ヘッドホンアンプ(DACアンプ等)で運用されることが多いです。
ワイヤレスヘッドホンにはDACやアンプ部が基本的に本体に内蔵しており(HIFIMANを除き)ほぼ密閉型で室内も室外も使える優れた存在で、このジャンルの音質や利便性の向上は目覚ましく、よりシンプルなシステム構成で完結できる良さもあります。極一部の製品はワイヤレス充電にも対応しています。
ヘッドホン・スタイルの良い点
しっかり腰を据えて良い音を深夜でもお隣を気にせず聴けるという点においてはかなり有利です。
音の純度もスピーカーよりも感じやすい一面があり、特に静電駆動型の音の再現性はスピード感と分解能力に優れています。これは振動版と電極が物理的には接触していないのでノンストレス駆動が可能という事で実現できているロマン満載の方式です。ちなみに大型スピーカーでも存在しますがべらぼうに高価ですし、超レアな存在です。
基本的にヘッドホンはドライバーユニットが大きいためイヤホンよりも迫力のある音圧を感じやすいです。(例外はありますけどね)鼓膜と振動版の距離かイヤホンよりも遠いので広めの音場再現にも有利な構造と言えます。これは耳への負担を考えた時にも(同じ音量で聴く場合)振動版と鼓膜の距離が近い方が強いし、密閉による圧力のかかり方も内部空間が狭い方が強くかかるためヘッドホンの方が耳への負担が軽くなると僕は考えています。(寝ホンしにくい点でも安全かな)
ヘッドホンシステムは普及帯の据置型のDACアンプ等で十分な音質が得られる場合が多いので一定水準の高音質を得るまでのコストパは優秀だと思います。持ち運びを前提としないシステムのため過度な小型化設計をする必要がなく音質にコストを全振りしやすいとも言えます。
ある程度はジャンルによって、気分によって気軽にヘッドホンを取替ながら音楽を楽しめますが、そこに関してはイヤホンの気軽さには敵わないでしょうが、スピーカーには荷が重い芸当になります。
ヘッドホンを手放す場合においては、古い機体でも収集家が存在し、ジャンク品でも需要があり、人気or定番モデルにもなると価値があまり落ちていないどころかプレミアが付くケースもあり、そのあたりもヘッドホン魅力のひとつと言えるでしょう。
ヘッドホン・スタイルの悪い点
【イヤーパッドorヘッドバンドの劣化】
ほぼ全てのヘッドホンの宿命ともいえる弱点が各パーツの劣化です。ヘッドバンドが緩んだりイヤーパッドがボロボロになったり、古い機種ではオリジナルのパッドが入手不能になっていることや、新しい機種でも交換が困難な場合や、不可能な場合、交換パーツが販売されていてもコスト的に割に合わない高額なものが多いという現実があります。そういった現状があるために特に低価格帯のヘッドホンはほぼ使い捨てという認識で購入する感覚も必要になるでしょう。社外品の交換用パッドや保護カバーという選択もありますが音質の多少の変化と追加コストもかかるので気に入ったヘッドホンを長く愛用するにはそれなりの維持費が必要になってきます。
【利便性】
夏は暑く蒸せる、重い、かさばる、付属キャリングケースいる?寝ホンはホボできません。
【コレクション性】
何個も所有するとなるとそれなりの空間が必要となり、気軽にコレクションという訳にもいかず集めるにしてもそれ相応の覚悟がいります。まあ、集めるという楽しみの概念を持たない方には無関係なところではあります。
【駆動にはイヤホンよりも多くのパワーを必要とし極めようとすると一気にコストが上がる】
ヘッドホンの実力を引き出すためには据置DACアンプなどの機器が別途必要になってくるので気軽にスマホ直差しとかはまずカスカスの音しか鳴らないと思った方がいいでしょう。なぜならヘッドホンはアンプによる音質の向上や変化幅が大きいからです。
イヤホンならある程度の上流システムがあればハイエンド帯のモデルを接続して「うぇ~い」とできるのですがヘッドホンは突き詰めて高価になればなるほどポテンシャルが深くなり、アンプの質を要求してくるのです。
中には駆動方式の違いによって専用のアンプ的な存在もあり価格も70万のヘッドホンに60万のアンプとかいうパターンもあるほどです。物理的に振動版の大きさもかなり違いますので当然と言えば当然なんですが…
【リケーブルがしんどすぎる】
接続用のケーブルに関してもXLRなどイヤホンには無い規格があるのですが、とにかく種類とパターンが多い割にはサードパーティの選択肢も少なく、何かと融通が利かないややこしさもあり(同規格でも内部配線パターンが違っていたり)、リケーブルに関してややハードルが高くなってしまいます。機種によっては変更不能な絶望的なケースも多く、改造品が中古に出回るケースもままございます。
【ワイヤレス機の刷新ペース早くね】
人気機種ほど新型発売のペースも早いのでそこそこ高価なモデルになると手が出しにくいという難点もあり、音質的には有線モデル(同価格帯)に比べて物理的に不利になります。
イヤホン・スタイル
最もオールマイティーに環境に捕らわれず使用でき、中華系イヤホンの台頭で低価格かつ高品質な圧倒的品揃えで日々新作ラッシュが続く一方で、40万円超えの超ハイエンドのイヤホンとそれを駆動するDAPが同等に高価にもかかわらず飛ぶように売れるという現在のオーディオ界の花形システムです。
イヤホン・スタイルの良い点
お手軽さナンバー1のイヤホンスタイル。スマホ直差しorTWSで完結可能。安価なモデルからでも場所を選ばず常に良い音を堪能でき、ワイヤレスなら携帯性を含めた利便性も圧倒的。外に持ち歩き常に人目に触れる存在なので見た目にこだる必然性が他のオーディオ機器とは次元が違うのでとにかくオサレでカッコいいモデルが多いです。更に小さくて種類が豊富なのでコレクションしやすく、女性ユーザーは特にアクセサリー感覚で集めたくなるんじゃないかと思います。
ガチガチのオーディオオタクにとっても本体~リケーブル~イヤーピースと全てにおいて自分好みにカスタマイズできてしまうという自由度に加え、次々と開発されていく新技術の波。これはもうスピーカーシステムの世界から見たら異世界物語なのです。
特にリケーブルの世界は圧倒的な品ぞろえで怪しいものからコスパの良いもの、しっかりとした高品質で超高価な超ハイエンドケーブルまで百花繚乱でございます。
ドライバーは3WAY、4WAY、10機以上搭載は当たり前で最近は片側22機のドライバー搭載という、片側だけでもサッカーで試合が組める数のヤケクソレベルな物まで登場する始末(2~3機故障しててもわかりませんよマジでw)…ドライバー方式も多種にわたりDD、BA、EST、ピエゾ、平面プレナー、骨伝導など…これはそもそも高価な補聴器の技術も含まれるため、ヘッドホンにはありえない特徴でイヤホン独自の文化ですね… なぜこんなにド派手な異文化なのかふと思ったのはユーザー層が若く、オーディオ知識が発展途上なところに付け込んだところ爆売れしたので売れなくなるまでやり続けましょうってことなのかと…ずいぶんネガティブで偏見の塊みたいな見方ですが、昔のホームオーディオの世界から過剰に重武装した意味不明な高額製品に踊らされ続けた負の歴史がありますからね~それと同じ現象とまでは思いませんが実際イヤホンサイズの大きさならドライバー1発か2発までで十分な気がしますがね(次々に高額な新モデルを売るための理由には十分なってます)
あとヘッドホンの項目の中でも言いましたが、アンプにかかる負担がヘッドホンに比べてかなり軽いのでアンプ部にはそれほどのコストを掛けずとも一部のドライバー(大型平面駆動など)を除けば大抵そこそこ奇麗に鳴ってくれます。買取価格が良いものも多いです。
音質的な傾向としては、鼓膜に最も近い位置で音を受けられるので分析的な聴き方に向いていますし音の純度的な面でもfinal A8000を聴いた時にはイヤホンが最強だな~と思ったほどです。この感覚は音を顕微鏡で見る的なイヤホン独自の世界かもしれません。
付けていることを忘れる軽さや装着感もダントツですね。
イヤホン・スタイルの悪い点
【内蔵バッテリー製品の儚さ】
安価なTWSだとまあしょうがないで終わりますが最近は5万を超えるTWSもあったり、高価なDAPにも当然バッテリーは搭載され、宿命である内蔵バッテリーの劣化は容赦なく襲い掛かります。イヤホンユーザーはヘビー級になってくればDAPとアンプの二重がさねとか当たり前になって中には別バッテリーを合わせて三重がさねまで…もはや音質を重視するあまり携帯性など意に介さぬ勇者達がゴロゴロ存在するのですが、そのヘビー級イヤホンスタイルの中心であるDAPなんですがこれがとにかくヤバい存在なんです。中のバッテリーが劣化して膨らんでくるとしっかりした金属ボディーですら浮き上がってくるという事象が起きて、50万円もするような機種が5~6年で修理もできずにサポート終了するという悲劇の現実もあるのですから。それでなくともDAPの核になるSocが基本的に最新スマホの何世代か前の型落ちになり、そのパターンで毎年のように刷新されてしまうので操作性やバッテリー性能も同時期のスマホに劣るモデルが殆どになります。サブスクのアプリも基本的には最新スマホ向けにアップデートされていくので(TWSのコーデックも含め)自分のスマホと比べて使いづらさを感じてしまう場面が多くなってくるでしょう。高額モデルのDAPを購入するのならメーカーがバッテリー交換や修理対応を念頭に置いた設計をした本体に「ネジがあるタイプ」がお勧めです。なぜなら本体を分解するときにボディが粘着テープで固定されている「ネジ無方式」の場合、ヒートガンによる熱風で剥がすのですがその際、中の基盤やコンデンサなど各パーツに熱による負担が掛かってしまうと、ある代理店の詳しい方に聞きました。なので、イヤホンスタイルでヘビー級まで楽しむ場合はやがてDAPに手を出すか否かを選択する岐路に立たされるでしょう。手放す時の価値の下がり幅もDAPは総じてイヤホンよりも大きく、そこも覚悟した方が良い点となります。
【イヤホン本体は最も破損リスクが高い】
外に持ち歩くのだからあらゆるリスクが発生して当然なのですが、特に多ドラのような繊細な内部配線は1回の落下でもひやひやものですので特に2Pinタイプの接続はゆるみが生じた場合は何の前触れもなく落下したりします。接続面に本体の凹が無くツライチの場合は差込み十分でもわずかな隙間が生まれるタイプもあって、そこに不意に降ってきた雨などの水滴が乗るとショートする可能性がありますので、少しでも凹があり深く固定できる方がいいでしょう。MMCX方式の接続は回転したり音切れがあったり、他社製品とのマッチングが悪かったりもありますが落下するリスクは2Pinより低いでしょう。落下して踏む(踏まれる)というコンボだけは避けたいですね。
【透明樹脂モデルの弱み】
経年により黄ばみによる変色やクラックが発生しやすくそれが目立ちます。ものによっては気泡がいっぱいあってむちゃくちゃ目立つ場合もあり、美しい反面、儚さも持ち合わせているので注意が必要です。僕の無駄のように長い間透明樹脂製品を取扱ってきた経験則から科学的根拠は示せないものの、もっともクラックが入りやすいのは透明でした。素材の粘性が低いのかもしれませんがとにかくよく割れました。同じ透明でもポリカーネイトは強いですが透明度は低くなりますね。
【忘れ物や盗難】
イヤホンは高額なモデルも多く注目される存在なので忘れ物や盗難なんかでそのまま帰ってこないケースが多くなるでしょう。20万超えのイヤホンと同じだけの金額のDAPが一瞬で消えたらと考えると怖すぎますよね😢
なのでイヤホンスタイルは煌びやかに見える世界ですが自宅で使うシステムよりも十分なリスクを承知の上でコストを投下する覚悟が必要でしょう。
結局ドユコト?
中々にまとまりもなく色々と書いてしまいましたが、要は自分がイッチバン重要視する音楽ジャンルとシチュエーションから最適なスタイルを導き出してその良し悪しを知ったうえでじっくり選んでいけばイイッテコトです~(それゆうためにここまで書くかなしかし)まーめんどくさいと言えばそーなんですが、特徴や注意点を意識せずにうっかり走り出すと買い集めた機器が使い物にならなかったり、それまでの自分の機器との連携や相性、相乗効果が薄れたり、無用の長物になったりと失敗散財を生み続けることになり兼ねまへんので(^^;)
最も自分に適したスタイルが何かを今一度振り返り、機器の選択にお役立ていただければと思います。長々と書き連ねましたがここまで読んでいただきありがとうございました。次回はシリーズの区切りとして「最適なコスト配分に重要な優先順位とは」について書いてみたいと思います。
今回ほど長くならない予定ですのでお付き合いいただければと思います。
では失礼します<m(__)m> 剛力、招~来っ!
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